- ROBOT / 榊原郁恵
- ROBOT / プラスチックス
- アンドロイドな女 / ハルメンズ
- バーバラ・セクサロイド / ヤプーズ
- 月曜日のロボット / 松任谷由実
ロボットが出てくる昭和の曲を集めてみた
作詞:松本隆 / 作曲:筒美京平 / 編曲:船山基紀
まずはテクノ歌謡の超傑作、榊原郁恵さんの「ROBOT」。夏のお嬢さんが大ヒットした榊原郁恵さんのシングルで、初となる筒美京平作品がテクノというのも面白いですね。
YMOなど、当時日本でも流行していたテクノポップ。テクノというと、ちょっとマニアックな感じがしますが、そこは天才の腕。筒美京平流にアレンジして一般にも受け入れやすい見事なテクノ歌謡に仕上がっています。
ちなみに筒美京平さんが亡くなられた後に、榊原さんがInstagramで筒美さんとのエピソードを公開されていましたが、本来はB面の「恋はう・ら・は・ら」がA面の予定だったそうなのですが、「恋はう・ら・は・ら」での筒美先生直々の指導で緊張してしまい、リラックスして歌えた「ROBOT」がA面になったそうです。
アップテンポの曲調と榊原郁恵さんの明るいキャラクターと歌声から楽しい歌だと思いがちですが、松本隆さんによる歌詞は、ロボットのように尽くすから「愛してる」と一言いって欲しいというなんとも恋の奴隷的な、切ない乙女心を歌っています。
作詞:TOSHI / 作曲:HAJIME
続いては、ヒカシューやP-MODELと合わせて「テクノ御三家」とも呼ばれたテクノポップバンド「プラスチックス」。そのファーストアルバム「WELCOME PRASTICS」から「ROBOT」。
リズムボックスが刻む淡々としたビートに、スットンキョウな歌い方のボーカル。初めて聴いたとき、何だこのヘンテコなバンドは!と衝撃を受けたものでした。
この曲でも、IBMやNHK、TDKやRCAなど英単語三文字の略語を並べて最終的に「You are robot!」とロボット呼ばわりするという批判なのか何なのかよくわからない歌詞なんですが、何故かクセになってしまう不思議な魅力があるバンドです。
イラストレーターの中西俊夫さん(ギター・ヴォーカル担当)、スタイリストの佐藤チカさん(ヴォーカル担当)、グラフィックデザイナーの立花ハジメさん(ギター担当)を中心に結成されたプラスチックス。当初はロックやパンクのカバーなどをやっていたそうなのですが、その後、のちにプロデューサーとして様々なアーティストを世に送り出した佐久間正英さん(キーボード担当)、作詞家の島武美(リズムボックス担当)が加入したことでテクノポップバンドとしてのバンドの路線が決まったそうです。
このバンドの曲は、絵でいうと抽象画のように、よくわからないけど何かオシャレなのかもしれないという印象は、音楽だけではなく様々なアーティスト達が集まって結成された知的集団だからなのでしょうか。
YMOもそうですが、テクノをやっている人たちはどこかしら知的でアーティスティックなイメージがあります。
作詞:佐伯健三 / 作曲:上野耕路・比賀江隆男
続いては、こちらも知的でアーティスティックな方々が集まっている印象のバンド「ハルメンズ」のファーストアルバム「ハルメンズの近代体操」から、「アンドロイドな女」。
美しいしオシャレで完璧だけれども、心を感じないまるでアンドロイドな女性を電子音とバンドサウンドでポップに歌った曲。かと思いきや、最後がとてつもなく不穏な感じで終わるのもいいです。
ハルメンズは後にメンバー変更がありますが、このアルバム制作時点でのメンバーは以下の通り。
- 佐伯健三:ボーカル
- 比賀江隆男:ギター
- 石原智広:ベース
- 泉水敏郎(せんすいとしろう):ドラム
- 上野耕路:キーボード
実は、テクノポップやニューウェーヴ系のバンドはこれまで通ってきておらず、現在ちょっとずつ勉強中で全く詳しくありません。ただ、色々と調べていくうちに色々な繋がりが見えてきて面白いです。
ちなみに戸川純さんが好きなのですが、戸川さんはこのハルメンズの前身となるバンド「8 1/2(ハッカ ニブンノイチ)」の追っかけをしていたのがきっかけで、ハルメンズのゲストボーカルとして参加したり、そこからハルメンズのメンバーだった上野耕路さんと「ゲルニカ」を結成したり、そのゲルニカの活動休止中に同じくハルメンズのドラムを担当していた泉水敏郎さんと「戸川純とヤプーズ」を結成したり。
また、戸川純さんのソロアルバム「玉姫様」では佐伯健三さんも楽曲制作に関わるなど、ハルメンズのメンバーと戸川純さんとはかなりの繋がりがあったんですね。
作詞:戸川純 / 作曲:吉川洋一郎
続いては、先ほどのハルメンズとも関りが深い、戸川純さん率いる「ヤプーズ」のファーストシングル「バーバラ・セクサロイド」。
電子音と、バンドの音と、戸川純さんの変幻自在なヴォーカルが合わさって最高にカッコいい曲です。
セクサロイドといえば、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999でおなじみの松本零士さんの「セクサロイド」という漫画作品がありますが、ここからインスパイアされているのでしょうか。
「セクサロイド」は、人間同様の性的能力を有するアンドロイドのユキをヒロインとするSFスパイ漫画ということですが、この曲のプロモーションビデオもスパイ映画(007?)をイメージした映像になっているので何となく共通している気がします。
ちなみに、このPVで戸川さんはセクサロイドのバーバラを物凄くセクシーなコスチュームで演じているのですが、途中の大股開きで上半身と腕をクネクネさせる動きが面白すぎてセクシーな気持ちになれないのは私だけでしょうか。ライブでもこの動きをやってらっしゃいましたね。(生で見た時は感動しました)
本当に、目からも耳からも最高のエンターテイメントを届けてくれる戸川純さんが大好きです。
作詞・作曲:松任谷由実 / 編曲:松任谷正隆
最後はユーミンこと松任谷由実さんの19枚目のオリジナルアルバム「ダイヤモンドダストが消えぬまに」から、「月曜日のロボット」。
休み明けのOLの心情を綴った歌詞は、会社勤めの頃を思い出して共感しかありません。とにかく会社に行かなければならないということが先行して、「なぜ足は進む」かわかりませんし、「どこに向かっているか」もわかりません。
まさにMANUFACTURE。ロボットのように意思なく働いている状況。
そんな工場からまだ知り合ってもいない“あなた”に救って欲しいと願う不思議なラブソング(?)です。
曲の構成もABABときて、初登場のCで終わっていくというオシャレな流れ!ただ、冒頭のタイプライターの音は何なんでしょう。歌詞にもタイプ打ってと出てきますが、コピーがある時代にタイプライターで仕事している人がいたんでしょうか。
今ではパソコンですが、その前に使われていたワープロの値段が下がって中小企業の会社や個人に普及してきたのが1980年代後半ということなので、まだタイプライターを使っている会社があったのかもしれませんね。
まあ何かオシャレだしカッコいいので気にしないことにしたいと思います。
最後に
今回はロボットアニメや特撮を除いた、昭和のロボットが出てくる曲をお送りしました。
アンドロイドやレプリカントなど、この頃描かれたロボットの未来にはまだ到達できていないような状況ですが、年々技術が発達していますので歌の世界が実現する日が来るのももうすぐかもしれませんね。
それでは、次回もお楽しみに。