失恋という名の付く曲を選んでみました
- 失恋レストラン / 清水健太郎
- 失恋ブギ / 山瀬まみ
- 失恋レッスン(A・B・C) / イモ欽トリオ
- 失恋記念日 / 石野真子
- オートバイの失恋 / 三上寛
失恋レストラン(1976年)
作詞・作曲・編曲:つのだひろ
昭和の失恋ソングと言えば真っ先に頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。清水健太郎さんのデビューシングル「失恋レストラン」。
当時アイドル的な人気があった清水健太郎さんだったそうなんですが、デビュー曲が失恋の歌っていうのも勢い的にどうだったんでしょうか。
しかし、そんな心配も余計なお世話といわんばかりに大ヒット。その勢いは、第19回日本レコード大賞最優秀新人賞、第8回日本歌謡大賞放送音楽新人賞、第10回日本有線大賞最優秀新人賞と新人賞を総なめするほど。
そんな失恋レストラン。作詞・作曲はメリー・ジェーンでおなじみ、あのつのだひろさん。ちょっと意外ですよね。
曲の素晴らしさはもちろん、タイトルも歌詞もとても印象的で、売れたのもわかる気がします。
ポッカリ空いた胸の奥に つめこむ飯を食べさせる そんな失恋レストラン
どんなレストランなんだと思ってしまいますが、曲中このレストランを説明しているのはどういう立場の人なのかと気になっていたら、最後とても不思議なオチがありましたね。まさかの恋をしたことがない人。失恋までのフルコース(?)をマスターにねだるというシュールな流れ。
もし実在するなら、そして失恋したら是非行ってみたいレストランです。
失恋ブギ (1988年)
作詞:安藤芳彦 / 作曲:山梨鎮平 / 編曲:米光亮
続いては、山瀬まみさんの9枚目のシングル「サヨナラの仔猫」のB面に収録されている「失恋ブギ」。
山瀬まみさんといえば、「マイケル音頭」などテレビアニメ「ホワッツ・マイケル」の主題歌を担当されていましたが、この曲も後期のエンディングテーマとして使われていました。
ブギということですが、曲調はブルースっぽくはなく、何やらタキシードにシルクハット、ステッキを持って華麗に踊りながら歌うのが似合いそうでカッコいいです。(実際にアニメのエンディングでは、マイケルたちがステッキもって踊っていましたね。)
まじめに勉強するママが喜ぶタイプ、バイクでブンブンあぶないタイプ、スポーツ万能ムキムキタイプ、おしゃれな流行りすたりのタイプ、車や食事など趣味にうるさいタイプ、一人でパソコンいつも孤独なタイプ、マザコンで子供過ぎちゃうタイプ、大人の会話のオジサマタイプなど、様々なタイプの男性が出てきますが、最終的には恋人にはできないとふる立場。
最後は結局普通のタイプの人に行くという、全然失恋は感じられない歌です。
失恋レッスン(A・B・C)(1981年)
作詞:松本隆 / 作曲:細野晴臣 / 編曲:細野晴臣・鈴木慶一
続いては、イモ欽トリオのオリジナルアルバム「ポテトボーイズNo.1」に収録されている「失恋レッスン(A・B・C)」。
大ヒット曲「ハイスクール・ララバイ」と同じく、作曲がYMOの細野晴臣さんということもあってテクノポップ調の爽やかな曲です。
「振られるたびに僕らは愛の意味を知る」という歌詞の通り、カセットテープに「I Love You」と愛のレターを吹き込んで渡してみたり、テニスボールに「好き」とサインして返してみたり、部屋に入ったら着替え中で殴られてみたり、アプローチはなかなか酷いですが、様々な失恋を経て成長していく正に失恋レッスン。
そしてたどり着く「傷つくことを覚えて生きる意味を知る」という人生観。失恋も悪いことばかりではないと教えてくれる一曲です。
失恋記念日(1978年)
作詞:阿久悠 / 作曲・編曲:穂口雄右
記念日って嬉しい時だけではないのですね。続いては、石野真子さんの3枚目のシングル「失恋記念日」。この曲、とにかく歌詞がグッときますよね。
先ほどの失恋レストランでもありましたが、失恋すると胸にポッカリと穴が空くもんなんですよね。それをレントゲンで見せようとするのが作詞した阿久さんの凄い所でもあります。
常々、失恋時は土砂降りの雨で涙を流して浄化したいと思っている私ですが、この曲の「びしょ濡れ気分でロックを踊り 泣いたっけ 泣いたっけ」の部分には多分にシンパシーを感じます。
ノンノーノノン ノンノーノノン ノンノーノノン ノンノーノノン
後は、可愛らしい振り付け。このノンノーノノンで親指と他の指を一本ずつ付けていく独特な振り付けが印象的です。
オートバイの失恋(1982年)
作詞・作曲:三上寛 / 編曲:井上鑑
最後は、フォークシンガー三上寛さんの「オートバイの失恋」。
三上寛さんといえば、フォークシンガーということでメッセージ性の強い曲を歌っていたり、藤圭子さんの「夢は夜ひらく」を自作の詩でカバーしているなど、怨むに歌と書いて「怨歌」を熱量高く歌っているイメージでしたが、この曲のファンキーで軽やかなことといったらビックリです。
ただ、曲はファンキーですが、歌は語りのようなスタイルでこれはこれで熱いです。歌詞の中に「考えてみりゃ~オートバイの失恋なんて誰も唄にはしないだろうが」とあるように、本当に前代未聞のオートバイの失恋の曲です。
オートバイの失恋が今、全世界に波紋を投げかけると何かとてつもないことが起こっているように訴えかけられるのですが、正直よくわかりません。
ただ、よくわからないことを熱量高く何度も訴えられると何か納得させられる所があるというか、キン肉マン的にいえば「言葉の意味はよくわからんがとにかくすごい自信だ」と不思議とオートバイの失恋に胸を痛めている自分がいます。
うまく伝えられませんが、とにかくスケールのでかい失恋ソングだということです。
最後に
今回は昭和の様々な失恋ソングを集めてみました。純粋に染みて泣ける選曲ではありませんが、グッとくる曲目白押しでお送りしました。
それでは次回もお楽しみに。