お金にまつわる曲特集

昭和のお金にまつわる曲を集めてみた

  1. 恋人もお金もない夜 / 飯田久彦
  2. お金をちょうだい / 美川憲一
  3. 銭ゲバ大行進 / 唐十郎
  4. 俺の借金全部でなんぼや / 上田正樹と有山淳司
  5. Money(That’s What I Want) / ザ・ゴールデン・カップス

恋人もお金もない夜(1967年)

恋人もお金もない夜 / 飯田久彦

作詞・作曲:浜口庫之助

若い時はこんな夜ばかりを過ごしていたのを思い出しました。一曲目は飯田久彦さんの「恋人もお金もない夜」。

今でこそ、そんな夜はゲームをしたり、スマホをいじってみたりと色々とやり過ごせると思いますが、当時は悶々とした気持ちをどのように抑えていたのでしょうか。

そう。窓に腰掛けてギター鳴らして歌っていたのです。(知らんけど)

軽快なジャズをバックにまるでミュージカルのような雰囲気の歌で、スマホをいったん置いて、ギターまでは弾かずとも窓に腰掛けてじっくり月を眺めてみるのもいいなと思える歌です。

飯田久彦さんといえば、1961年に発売されたジーン・ピットニーの「ルイジアナ・ママ」の日本語バージョンが大ヒット。その後、ビクター音楽産業に就職してピンク・レディーをあのセクシーダンス歌謡路線でプロデビューさせたという経緯があります。

ちなみに、ニックネームは「チャコ」(幼少期のヒサヒコが呼びにくいことからヒチャヒコ→チャコとなったそう)。あのサザン・オールスターズの「チャコの海岸物語」はこの久田さんのニックネームからきているそうです。

お金をちょうだい(1971年)

お金をちょうだい / 美川憲一

作詞:星野哲郎 / 作曲:中川博之 / 編曲:小杉仁三

続いては、美川憲一さんが歌う切ない女心の名曲「お金をちょうだい」。美川憲一さんが歌う女心というのもちょっとややこしい感じがしますが、とにかくいい曲!

貧乏だった若いころからすべてをささげて支えてきた相手から、別れを切り出されたのでしょうか。未練は残るものの、さっぱりさせて前へと進むためにあえていう「お金をちょうだい」。こんな切ないセリフがあるでしょうか。

しかも、あなたの生活にひびかない程度のお金でいいと。アパートを借りて後は一人でなんとかするわと。そして、切ないのは我慢さえすればひとりで何とか生きていけるわのくだり。うーん、切ない!

さらに、これまで暮らした日々を感謝こそすれ、怨む気持ちはないなんて何て優しいのでしょう。相手に少しの犠牲(お金を払わせること)を持たせることで、別れの際、気持ちを楽にさせるというあまりに哀しい優しさにも泣けてきます。

女性が歌うとリアルすぎて重たくなりそうですが、美川さんが歌うことで何故かより染みてくる感じがあって不思議です。

銭ゲバ大行進(1970年)

銭ゲバ大行進 / 唐十郎

作詞:奥田喜久丸 / 作曲:浜口庫之助 / 編曲:松本 浩

今から15年ほど前にミニシアターでやっていた、唐十郎さん主演の映画「銭ゲバ」。話の内容はあまり覚えていませんが、帰り道にこの主題歌が頭から離れなかったのを覚えています。そんな銭ゲバの主題歌「銭ゲバ大行進」。

銭ゲバ 銭ゲバ ゼゼゼ ゼニ ゼニ 銭ゲバ

少年サンデーで連載されていた漫画が原作で、作者は今年5月に亡くなられたジョージ秋山さん。

銭ゲバとは「金のためなら何でもする奴」という意味で、少年時代貧乏のせいで苦労して金の絶対的な力を見せつけられた主人公の蒲郡風太郎が、金のためなら手段を選ばず、あらゆる悪事に手を染めて成り上がっていく姿を現しています。

映画で主人公を演じたのは、状況劇場でアングラな演劇活動を行っていた唐十郎さん。原作のアングラ感とも相まってピッタリの役だったと思うのですが、2009年にあの松山ケンイチさんを主人公にドラマ化されましたよね。

残念ながら、そのドラマは見れていないのですがあの役をどう演じたのかかなり興味があります。主題歌も「銭ゲバ大行進」を是非リメイクして欲しかったのですが、全く違った曲を使用されたそうです。

いつの時代もお金に翻弄されるもの。この流れで、是非令和版「銭ゲバ」も見てみたいものですね。

俺の借金全部でなんぼや(1975年)

俺の借金全部でなんぼや / 上田正樹と有山淳司

作詞:三上寛 / 作曲:上田正樹・有山じゅんじ

続いては借金の歌。上田正樹とサウス・トゥ・サウスで活動していた上田正樹さんと有山淳二さんが二人の名義で発売したアコースティック・ブルースアルバム「ぼちぼちいこか」から、「俺の借金全部でなんぼや」。

アコースティック・ギターの軽快なリズムにのせて、お金の貸し借りの経緯を歌っていくという面白い歌で、タイトルにもある通り最終的に借金がいくらになるかクイズとしても楽しめる曲です。

お金とか借金とかブルースではよく出てくる内容ではありますが、そこに笑いの要素が入っているのが関西っぽくて最高ですよね。関西弁の歌いまわしもピッタリで、関西ブルースというジャンルがあるのもうなずけます。

私も歌詞を見ながら考えてみたんですが、数字が苦手なもので途中であきらめてしまいました。どなたか正解をご存じの方教えて下さい…。

Money(That’s What I Want)(1968年)

Money(That’s What I Want) / ザ・ゴールデン・カップス

作詞・作曲:ジェイニー・ブラッドフォード・ベリー・ゴーディ

最後は洋楽のカバーから。アメリカの歌手バネット・ストロングが発売したモータウンレーベル初のヒットシングル「Money(That’s What I Want)」。

この曲、ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ドクター・ジョンやシュープリームスなど様々なアーティストがカバーしてそれぞれの味を出していますが、今回ご紹介するのは、ザ・ゴールデン・カップスのバージョン。

60年代のガレージバンドが好きだったので、最初にこの曲を知ったのはソニックスがカバーしたバージョンでしたが、このザ・ゴールデン・カップスバージョンも素晴らしいです。

ドラムソロから始まり、ギターのカッティングもキレがあってカッコいい!ビリビリ引っ張っているミッキー吉野さんのオルガンも効いていて、最高のダンスナンバーに仕上がっています。

ボーカルはギターのエディ潘さん。デイヴ平尾さんとはまた違った声質と歌い方で、この曲にマッチしていると思います。

最後に

今回は「お金にまつわる曲」を集めてお送りしましたが、いかがだったでしょうか。

お金の曲ということで切ない曲もありましたが、選曲していて意外と明るく楽しい曲が多いような気がします。

また機会があれば続編もやってみたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに。