昭和のすきすきソング5選

今回は好きだらけ!すきすきソングを集めてみた

  1. すきすきソング / 水森亜土
  2. あなたが好き好き / トリオ・ザ・マンティス
  3. 逢えば好き好き / マーガレット
  4. 好き好き大好き / 戸川純
  5. とんちんかんちん一休さん / 相内恵・ヤング・フレッシュ

すきすきソング(1969年)

すきすきソング / 水森亜土

作詞:井上ひさし・山元護久 / 作曲:小林亜星

まずは、タイトルそのまんま。ひみつのアッコちゃん初代エンディングテーマ「すきすきソング」です。

歌っているのは、子供番組で歌いながらの両手お絵かきを披露していた水森亜土さん。歌手や女優など幅広く活躍されていますが、やはりイラストレーターとしての水森さん。日本人っぽくないメルヘンなテイストのイラストがとても素敵ですよね。

この曲、いくつかの“変”が絶妙なバランスで重なってめちゃくちゃカッコよくなっていますよね。

一番気になるのは、弾きまくりのフリースタイルなオルガン。そして水森亜土さんの舌っ足らずな歌、謎の男性コーラスによるこれまた謎な民謡風の合いの手。

こんな曲の作り方があるのだろうかと驚きます。それぞれが邪魔といえば邪魔だし、かと言って何か抜けると物足りないしと、絶妙なパワーバランスで構成されているのが本当にすごい。特にオルガンがカッコよくてずっと聴いていられますね。

ちなみに何故かこの曲、高校野球の応援歌などで使われていますが、どうせなら原曲の不思議バランスで演奏して欲しいものです。

あなたが好き好き(1966年)

あなたが好き好き / トリオ・ザ・マンティス

作詞:周東敬二 / 作曲:遠藤実

続いては、調べても詳細がわからない女性1人に男性2人の3人組、トリオ・ザ・マンティスの「あなたが好き好き」。

昭和の軽快なジャズ歌謡にのせて、男女が好き好き言い合うというほぼ中身がないような内容ですが、いやに耳に残ります。

ちなみにマンティスは英語でカマキリ。カマキリのメスは交尾中にオスを食べるそうですが、この歌もそういう意味で聴くとちょっと怖くなってきますね。

女性の魅惑的な歌い方も、ついつい男性メンバーに逃げて!と言いたくなってしまいます。

逢えば好き好き(1968年)

逢えば好き好き / マーガレット

作詞:ささきひろと / 作曲・編曲:寺内タケシ

続いては、ガールズガレージパンクの超絶カッコいいナンバー「逢えば好き好き」。

歌っているのは日本人とアメリカ人とのハーフで、ファッションモデルをやっていたマーガレット・リー・バレット。このマーガレットがたまたま近所に住んでいた寺内タケシの所に遊びに行って認められたことから歌手デビューに至ったそうです。

すごいですよね。私も近所に寺内タケシが住んでいたら絶対毎日遊びに行っていたことでしょう。あんなギター弾いてみたいですもんね。

というわけで、この曲のバックの演奏は寺内タケシさん率いるバニーズ。荒れ狂う寺内さんのギターとバニーズの演奏、片言による下っ足らずな歌声の不思議なハーモニーが何故かカッコいい!

この曲、どうやら当時はそんなに話題になっていなかったようですが、我々後追い世代にはガッチリ引っかかっていて、20年位前のライブハウスで昭和ガレージサウンド(GS)好きのガールズバンドがカバーしているのをいくつか見かけました。

好き好き大好き(1985年)

好き好き大好き / 戸川純

作詞:戸川純 / 作曲:吉川洋一郎 / 編曲:吉川洋一郎

続いては、どんな説明をしてもすべてチープな紹介になってしまいそうですが敢えてシンプルに「天才」と言いたい。戸川純さんのファーストソロアルバムから「好き好き大好き」。

戸川純さんの表現の引き出しは一体いくつあるのでしょうか。いや、本人は引き出しをわざわざ開けている感覚はなく、言葉、声、目線、表情、しぐさを様々なバリエーションで自然に表現しているようで本当にすごいです。

清廉性、幼児性、暴力性、狂気性など、あらゆる「性」を自由自在に表現できる天才だと思います。

この曲も、子供っぽい歌い方の裏でちょっと堅めの単語を多用した独特の言い回しで想いを語り、サビでは声楽家かと言わんばかりのファルセットで残酷なまでの愛の過剰表現。最後はまた子供っぽい声で「愛してるっていわなきゃ殺す」。

普通に聴いているだけですが、歌詞でも歌でも(プロモーションビデオでは動きやキャラでも)五感が振り回されます。

ほんと戸川純さん、好き好き大好きです。

とんちんかんちん一休さん(1975年)

とんちんかんちん一休さん / 相内恵・ヤング・フレッシュ

作詞:山元護久 / 作曲・編曲:宇野誠一郎

最後はわかりやすい一曲。テレビアニメ「一休さん」のオープニングテーマで「とんちんかんちん一休さん」。

冒頭の「すきすきすきすきすきっすき あいしてーるっ」のキャッチーなフレーズは一度聴いたら忘れませんね。でも、このテンションで実際告白されたらイラッとしそうですが。

テンションでいえば、途中で入る「あ~ あ~ なむさんだ~」の突然の悩まし気なテンションが個人的には大好きです。

一休さんはエンディングテーマも印象的ですよね。母上への手紙がそのまま歌として読まれるというのは、当時子供ながらに斬新だと思っていました。

最後に

今回は、すきすきソング特集ということで、一度にこんなに「すき」を聞くこともないだろうというボリュームでお送りしました。

すきすきばかりでほとんど内容がないものが多い気がしますが、戸川純さんのように狂気をはらんだ曲もあって奥が深いジャンルですね。

また、新たなすきすきを集めていこうと思います。

それでは次回もお楽しみに。