中秋の名月にちなんで月が出てくる曲を集めてみた
- MOON / REBECCA
- 月の夜のシ・ア・ワ・セ / 小泉今日子
- 月光仮面 / ザ・モップス
- プラスティック・ムーン / Pinups
- ムーンライト・マジック / 一風堂
MOON(1988年)
作詞:NOKKO / 作曲:土橋安騎夫 / 編曲:レベッカ
まずはそのままのタイトル。REBECCAの9枚目のシングル「MOON」です。
歌の設定として、母一人子一人の家庭なのでしょうか。
町とママと月に見守られて育った娘は一見シアワセそうに思えますが、監視されるのが煩わしかったり、友達や恋人と自由に生きたいという気持ちの方が強かったのでしょうか。盗みを覚えたり、恋人の所に行って帰ってこなくなったり。
そんな娘を「壊してしまうのは一瞬でできるから 大切に生きて」と泣きながら諭すママ。その全てを見守り、知っている月。
当時、同じような境遇でなくてもティーンの女の子にかなり響いたのではないでしょうか。共感のあまり家を飛び出した女子もいそうです。
また、NOKKOさんの気持ちの入った歌い方もグッときますよね。
そして、曲のよさはもちろんですが、途中で霊の声が入っているといわれて話題になりましたね。2番のAメロ終り、時間にして2分13秒辺りに「せんぱーい」というような声が聞こえます。
これ、ボーカルのNOKKOさんの亡くなった後輩の声だとか諸説あるようですが、実際はどういう理由で残ったのかはわかりませんがレコーディング中に入ったNOKKOさん本人の声というのが有力なのだそうです。
初めてこの曲を聞いたのは中学生の時でしたが、友達とドキドキしながら再生してヒャーッと言って怖がっていたのを思い出しました。
月の夜のシ・ア・ワ・セ(1988年)
作詞:川村真澄 / 作曲:小林武史 / 編曲:米光亮
続いては、1988年に発売された小泉今日子さんのベストアルバム「Best Of Kyong King」に収録されている「月の夜のシ・ア・ワ・セ」。
重厚感のあるストリングスのイントロから、ピアノと共に小泉さんが優しい声で歌いだすアレンジがとても素敵です。編曲を手掛けているのは、米光亮さん。
他にも光GENJIや広瀬香美さんの曲を手掛けていらっしゃるそうで、そういえば光GENJIのガラスの十代の冒頭も音は電子音っぽくはありますが、イントロから引き込まれる感じがありますもんね。
歌詞も、繋がりがありそうでなさそうな文章が連なっている感じで、ちょっと機械的な感じもしますが、小泉さんの声と相まって、秋の夜の澄んだ空気にピッタリといった素敵な曲です。ベスト盤にしか収録されていないのが不思議です。
月光仮面(1971年)
作詞:川内康範 / 作曲:星勝
続いては、ザ・モップスによる月のヒーロー「月光仮面」の主題歌。
どーこーのーだーれーかーはー しーらなーいけーれーどー
あの誰もが知っている曲を、ドが付くほどのブルースにアレンジ!しかも1パターンではなく、ブルースのいくつものリズムパターンを1曲に盛り込む贅沢さ。そして、月光仮面の歌なのに途中で「鳥だ!飛行機だ!~」といったスーパーマンの口上まで出てくる始末。
この曲は、何をやっても受けないステージで、やけくそでやったらウケてレコードまで出すことになったそうなのですが、本当にやけくそ感が出ていて最高です!
作詞は月光仮面の原作者で、森進一さんと「おふくろさん騒動」があった川内康範(かわうちこうはん)さんですが、これよく怒られなかったなと思います。
プラスティック・ムーン(1982年)
作詞・作曲:近田春夫 / 編曲:近田春夫&ピンナップス
続いては、80年代ニューウェーブバンド「Pinups」のセカンドアルバム「抱きしめて!!」に収録されている「プラスティック・ムーン」。
ボーカルは、ジューシー・フルーツのイリアさんも在籍していた、日本のガールズロックの草分けともいえるバンド「ガールズ」のボーカルで、リタさん。
ガールズといえば、ザ・ランナウェイズのカバー「チェリー・ボンブ」がメチャクチャカッコいいです!
そんなリタさんがガールズ解散後に加入したのがPinups。自身もニューウェーブ系ロックバンド「近田春夫&ハルヲフォン」をやられていたこともあったのでしょうか。バンド名の名付け親と、セカンドアルバムのプロデュースを手掛けたのは近田春夫さん。
近田春夫さんといえば、古くはグループサウンズの後期のグループ「ロック・パイロット」から、内田裕也さんのロックバンド「1815ロックンロールバンド」、人力ヒップホップビッグバンド「ビブラストーン」など、様々なジャンルの音楽にプレイヤーとして携わっている超人です。
この曲は、そんな近田春夫さんが「近田春夫&ハルヲフォン」で発売した1976年のシングル「恋のT.P.O.」のB面に収録された「プラスティック・ムーン」のカバー。
勢いのあるバンドサウンドと、ガールズの時のようにやさぐれてはいないものの、カッコいいボーカルでシビレます。
ムーンライト・マジック(1984年)
作詞・作曲:土屋昌巳
最後はこちらもニューウェーブ系バンド。個人的に夏の太陽には熱い曲が似合いますが、真逆の冷たい感じがする秋の月には電子音がハマる気がしています。
そんな秋の夜にピッタリな曲は、一風堂のラストシングル「ムーンライト・マジック」。
イントロから、ピコピコが炸裂。ハンドクラップ音、スチールパン的な音も最高です。全体的にボヤっとした浮遊感のあるエフェクトがまた満月の夜に合いそうです。
当時、ボーカルの土屋昌巳さんは身長が174cmで体重が40㎏台というウルトラスリム体系だったそうです。それもあってか、中性的でミステリアスな雰囲気を醸し出していました。
一風堂と言えば、「すみれ September Love」のヒットでおなじみでしょうか。1997年のSHAZNAのカバーも話題になりましたね。
ちなみに今、一風堂で検索するとラーメン屋さんが一番先にできますが、このバンド名は渋谷にあるディスカウント・ストアの名前から取ったそうです。
最後に
今回は、中秋の名月にちなんで月が出てくる昭和の曲を集めてお送りしました。
月がキレイな秋の夜、空を見上げながらこれらの曲を薄ぼんやりかけて、物思いにふけて頂くのもいいのではないでしょうか。
それでは、次回もお楽しみに。