卒業&さよならソングを集めてみた
- 春なのに / 柏原芳恵
- 卒業 / 斉藤由貴
- 卒業写真 / 荒井由実
- とLOVEるジェネレーション / THE GOOD-BYE
- 22才の別れ / 風
- さよならの向う側 / 山口百恵
春なのに(1983年)
作詞・作曲:中島みゆき / 編曲:服部克久・J.サレッス
柏原芳恵さんの12枚目のシングルで、中島みゆきさんによる提供曲。卒業ソングの定番として今なお親しまれている言わずと知れた名曲です。
現在の天皇も当時大ファンで、特にこの「春なのに」が好きだったそうです。なんとコンサートにも足を運ばれ、柏原さんから頂いたレコードや写真集のお礼にピンクのバラ「プリンセス・サヤコ」をプレゼントされたそうです。
皇室の方はクラシックや洋楽でもビートルズなんかを主に聞かれているのかと思っていましたが、歌謡曲も聞く機会があるんですね!柏原芳恵さんのファンというのもちょっと意外でした。
ところでこの曲、卒業ソングという事でこの時期よく耳にしますが、良く聞くとちょっとビックリします。特に2番。「記念に~くだ~さいボタンを~ひと~つ~ 青い~空~に~捨~てま~す~」って捨てんのかい!
思わず、「記念なのに~捨てる~のです~か~」と歌ってしまいそうになりました。
卒業(1985年)
作詞:松本隆 / 作曲:筒美京平 / 編曲:武部聡
こちらも卒業ソングのド定番!斉藤由貴さんのデビューシングル。
「あ~あ~ 卒業し~きで~ 泣かな~い~と~ 冷たい人~とい~わ~れ~そぉ~」
もっと悲しい瞬間に涙はとっておきたいとか、卒業しても友だちというのは嘘ではないけど、まあみんなそれぞれ忙しくなってそんなに会えないんだよ。とか。
なぜこんなに落ち着いているのか。なぜ未来がわかるのか。もしかしてタイムリープしてきたのではなかろうか。
卒業式といえば友人たちとの別れや未来への期待と不安で胸が一杯になって、泣いたり笑ったりと情緒が不安定になりがちなのに、一線ひいたクールな想いを坦々と歌っているそんな印象の曲です。
ちなみに地元にちなんだ話として、この曲の担当ディレクターである長岡和弘さんは、長崎県大村市の出身で自身の母校である長崎県立大村高等学校の正門からの桜並木の景色を思い浮かべながら演出をされたそうです。
さらに、長岡さんは雲仙市のキャラクター「あいのん」のテーマソングのアレンジと録音も手掛けています。
卒業写真(1975年)
作詞・作曲:荒井由実 / 編曲:服部克久
ハイ・ファイ・セットは、合唱曲としても有名な「翼をください」でおなじみ「赤い鳥」のメンバーだった、山本潤子さん、山本俊彦さん、大川茂さんの3人で結成されたコーラスグループです。
デビューシングルとなるこの曲はユーミンこと荒井由実さん提供曲。荒井由実さんもその後、自身のアルバム「COBALT HOUR」(1975年)でセルフカバーしています。
ユーミンの曲は、独特の声ということもあってどうしてもユーミンの声で聞こえてきがちですが、ハイ・ファイ・セットバージョンは山本順子さんのビブラートの効いた伸びやかな声で、コーラスグループという事もありサビのハモリも素晴らしく、曲が全体的に明るく感じます。
ちなみに悲しいことがあると卒業写真を見ますか?
私は高校の文化祭でバンドをやったのですが、なんと卒業アルバムに見開きでバーンとその時の演奏写真が載りました。しかし、私はリーダーだったにもかかわらず完全に見切れていて写っていません。
卒業写真をみると悲しくなります。
とLOVEるジェネレーション(1985年)
作詞:野村義男 / 作曲:曽我泰久 / 編曲:THE GOOD₋BYE
さよならソング特集ということで、名前がザ・さよならのこのバンドを入れないわけにはいかないでしょう。たのきんトリオのヨッちゃんこと野村義男さん率いるTHE GOOD-BYE(ザ・グッバイ)。
- 野村義男(ボーカル・ギター)
- 曽我泰久(ボーカル・ギター)リーダー
- 加賀八郎(ベース・ボーカル)
- 衛藤浩一(ドラム・ボーカル)
この曲「とLOVEるジェネレーション」は、6枚目のシングルとして発売されました。 アイドルバンドっぽくない男らしい歌詞と、ロックというよりはフォークっぽいアコースティックギターで弾き語りをしてもしっくりくる感じがするメロディーにかなりグッときます。
しかしながら、この英単語を間に入れてくるタイトルのセンスが秀逸ですよね。野村義男さんが作詞した曲で他にもグッとくるタイトルがあります。
- YOU惑-MAY惑(1984年)
- 摩訶 WHO SEE 議(1985年)
- 25ans(ヴァンサンカン)(1989年)
マイブームだったんでしょうか。
22才の別れ(1975年)
作詞・作曲:伊勢正三
風は1975年にフォークグループ「かぐや姫」の伊勢正三さんと、フォークグループ「猫」の大久保一久さんで結成されたフォークデュオ。
この22才の別れは、伊勢さんがかぐや姫時代にアルバム「三階建の詩」の為に制作した曲でした。かぐや姫解散後、風のデビューシングルとして発売したところ累計売上がミリオンセラーを達成する大ヒットとなりました。
切ない歌詞と日本人好みメロディーがすっと沁み込んでくる素敵な曲ですよね。ギターのアルペジオも最高で、途中の「ポーン」というハーモニクスもいいですよね。
ところで、フォークの方達ってネーミングが独特ですよね。
- かぐや姫
- アリス
- 猫
- イルカ
- グレープ
- 紙ふうせん
笑っちゃいけないのでしょうが、中年の人たちがステージに現れて「どうも○○(上記のグループ名を入れる)です。」という自己紹介だけでウケそうな気がします。
さよならの向う側(1980年)
作詞:阿木燿子 / 作曲:宇崎竜童
阿木燿子さんと宇崎竜童夫妻による、山口百恵さんの引退前のラストシングルです。星の寿命の話から入る壮大な曲は最後に伝えたかった想いも沢山あったのでしょう。6分を超える大曲になっています。
ちなみにレコードでは長時間録音すると音のレベルが下がったり、針飛びしやすくなるそうで、その旨の注意書きが書かれていたそうです。
1980年10月5日に日本武道館で行われたファイナルコンサートでは、最後の曲として「さよならの向う側」を涙ながらに絶唱し、あの有名なステージ中央にマイクを置いて立ち去るという伝説を残して舞台を去りました。
そういう意味でこの曲は山口百恵伝説の集大成と言っても過言ではないでしょう。
さよならの向う側には何があるのか。
個人的な解釈ですが、ここでいう「あなた」はファンはもちろん、これまで山口百恵としてお世話になった方々をさしていて、さよならのかわりにThank youを伝えたい。さよならの向う側には感謝があるということを言いたいのではないかと思っています。
最後に
卒業シーズン真っ盛りということで、今回は卒業&さよならソング特集をお送りしました。今回紹介した昭和の卒業ソングが令和の今でも流れていて、世代を超えて愛されている名曲なんだなと改めて実感しました。
それでは、次回もお楽しみに!