- 夢みるシャンソン人形 / フランス・ギャル
- シティ・コネクション / エマニエル
- 異邦人ブルース / カサノヴァ7(セッテ)
- ブルースのメニュー / ブルース・バウアー
- 雨あがりのダウンタウン / アグネス・ラム
昭和のグッとくるカタコト歌謡曲を集めてみました
作詞・作曲:セルジュ・ゲンスブール / 日本語詞:岩谷時子
まずは、フレンチ・ポップスの超有名曲の日本語歌唱から、フランス・ギャルの代表曲「夢みるシャンソン人形」です。
後追い世代としては、フランス語バージョンの方がなじみがあったのですが、日本語バージョンもほぼ同じタイミング(翌月)で発売されていたのですね。当時、日本ではどちらのバージョンが流行ったのでしょうか。ちなみに、日本語だけではなくドイツ語、イタリア語、スペイン語でも制作されて世界各国でヒットしたそうです。
全体的にいい感じの日本語発音で歌えているのですが、いかんせんサビの「シャンソンにんぎよーう」と「よ」を強めに発音するのがいい味出しています。フランス人にとって「ギョウ」の発音は難しいのでしょうか。
ところで、フランス・ギャルってすごくいい名前ですよね(本名はイザベル・ジュヌヴィエーヴ・マリ・アンヌ・ギャル)。
「地名」+「ギャル」。日本でも同じテイストで人名を作れないかと思って考えてみました。
「島原あげぽよ」とか、「いなかのプレスリー」とか。
やっぱり「さいたまんぞう」さんにはかないませんね。
作詞:ミッキー・シュガー / 作曲:ダニー・ロング / 編曲:ミシェル・シミーン / 訳詞:佐藤由佳
続いては、子供の時によく歌っていたのを覚えています。日本では”エマニエル坊や”として人気を博したエマニエルの「シティ・コネクション」。
カーオーディオメーカーのクラリオンのCMに出演して、クラリオンのブランドと同名のこの曲「シティ・コネクション」を歌って、オリコン2位に入るというヒットを飛ばしました。
“ナイトコネクションしようぜベイビー!”
小さい外国人の男の子が、大人びた歌詞をカタコトでたどたどしく歌うというギャップに萌えたんでしょうね。アメリカ人なので当たり前なのですが、英語パートになると何故か「英語うまいなこの子」と思ってしまう錯覚に陥ってしまう奇妙な現象に名前を付けたい。
当時は、エマニエル坊やの可愛らしい歌声に耳を取られていましたが、今聴くと楽曲がファンキーでポップでめちゃくちゃいいです!
1978年に放送開始となったNBCのシットコム「アーノルド坊やは人気者」がゲーリー・コールマンの主演によりヒット番組となっており、競合局であるABCでも「低身長の黒人少年が白人家庭で育てられる」という設定のドラマ番組を模倣することを試みた。その結果製作されたのがシットコム「ウェブスター(Webster)」(1983年-1989年)であり、その主役としてスターになったのがルイスであった。
作詞:橋本淳 / 作曲:筒美京平 / 編曲:ブルーノ・ダラポッサ
続いては、個人的にカタコト歌謡界の最高峰として君臨するスーパーグループ「カサノヴァ7(セッテ)」の、異邦人(エトランゼ)ブルース。
カサノヴァ7(セッテ)は、5人のイタリア人男性と、2人の日本人女性からなるグループ。名前から只者ではない感じがビンビン伝わってきますが、てっきりオシャレな音楽を奏でるグループだと思って聴いてみたら、イタリア人男性がカタコトでソウルフルに歌い上げるゴリゴリの演歌系ムード歌謡でかなり驚きました。
そして、この曲。異邦人と書いて“エトランゼ”と読む、異邦人ブルースがまたヤバい曲で、1番がムード歌謡、2番が女性2人によるソフトロック調、3番がビートの効いた歌謡曲と、それぞれ違うテイストで聞かせるというプログレ要素も入った壮大な組曲。
作詞、作曲は橋本淳さんと筒美京平さんとのおなじみのコンビで、編曲のブルーノ・ダラポッサさんはあのヒデとロザンナのロザンナさんの叔父にあたる方なのだそうです。
初めて聴いたときは、久しぶりに震えるほどヤバいグループに出会った感じがありました。デビュー曲の「夜の柳ヶ瀬」(こちらも素晴らしい!)がそこそこ売れたらしいのですが、当時のリアクションはどうだったのでしょうか。リアルタイムで聴いていた方のお話が聞いてみたいです。
作詞・作曲:ブルース・バウアー / 編曲:ボブ佐久間
続いても、ちょっとヤバめのカタコトソング。1960年代後半から1970年代前半まで日本で過ごしたというアメリカ人男性シンガーソングライターのブルース・バウアーさん。
この曲は、そんなブルースさんが日本で食べたであろう食べ物への愛をカタコトで歌った「ブルースのメニュー」です。
さしみ ヤキソバ もやしにニラレバ
ギョウザ みそしる カツどん エビフライ
横浜シュウマイ 新幹線の弁当
もやしは料理じゃなくて食材だと思うのですが、アメリカではあまり食べないのでしょうか。新幹線の弁当は通な感じがしますが、この並びは日本人でも大好きですもんね。
どういった経緯で日本でレコードデビューしたのかわかりませんが、プロデュースはミッキー・カーティスさん。編曲はボブ佐久間さんという豪華な布陣です。
曲調もサザンロック調で、聴くたびに色々な意味で美味しさに気づかされる良曲です。
作詞:山川啓介 / 作曲:弾厚作
最後は、元祖グラビアアイドルともいわれる、1976年から1977年にかけて若者たちが大フィーバーしたアグネス・ラムさんのデビューシングル「雨あがりのダウンタウン」です。
この曲が発売された年は私が生まれた年で、リアルタイムでは全くないのですが、当時日本では珍しかったというビキニでの写真は古本やネットの画像などでよく見かけました。
キュートな顔と、ナイスなバディーは今そのままデビューしても人気が出そうです。グラビア撮影ではノーメイクだったそうなので、本当に元々の作りが違うんでしょうね。
そんな人気絶頂のさなか、発売されたシングル。素敵な声とカタコトの相乗効果で可愛さが倍増!
作曲したのは、弾厚作さん。そう、海の男で有名な加山雄三さんの別名ですね。
作曲したのをきっかけに行われた雑誌での対談を見たんですが、とにかくアグネスのファンだそうで、奥さんもアグネスなら仕方ないと公認しているそうです。
ただ、抱きついてみたり、頬にキスしてみたり、恋人同士の役で映画に出たいと口説いてみたりなど、どさくさに紛れて好き勝手にやっているようにとれる様も掲載されていて、雑誌が発売されてからファンの反感をかわなかったのか心配になりました。
最後に
今回は、外国人が日本語で歌った歌謡曲。カタコト特集をお送りしました。
曲の素晴らしさは当たり前ですが、カタコトで歌われることによって味わい深さが増してより素晴らしくなりますね。
それでは、次回もお楽しみに。