昭和の夏の曲特集もこれで3回目です
- ナツオの恋人ナツコ / 岡本舞子
- 夏ざかりほの字組 / Toshi&Naoko
- 夏の夜のサンバ / 和田アキ子
- 真夏の夜の動物園 / ザ・ダイナマイツ
- 夏の終り / CAROL
ナツオの恋人ナツコ(1986年)
作詞:FUMIKO / 作曲:和泉常寛 / 編曲:山川恵津子
まずは、一目見てタイトルが印象に残る曲。岡本舞子さんの「ナツオの恋人ナツコ」。
岡本舞子さんは、4歳から子役モデルとして芸能界入り。13歳の時には魔法の妖精ペルシャのオープニングテーマ「見知らぬ国のトリッパー」を担当し、その後アイドル歌手として活動されていました。
タイトルもそうですが、歌詞もなかなか印象深く、冒頭の「ガムを噛みながらキッスをするとビキニが崩れるからやめて」というくだりや、「フライドポテトなジョーク」ってどういうジョーク?と思ったり。
そして気になるのはサビの「ナ~ツオとナ~ツコ~は~ コンヤクし~ませ~ん~」。コンヤクは婚約の事だと思うのですが、突然すぎて話が飛躍している感じがしますよね。コンヤクはしないけれど、この夏は大好き同士で瞬間をかけぬけて生きていくということなのでしょうか。
そんな歌詞を担当しているのは、以前「ハスキーボイスを堪能しよう」の回で紹介した、桂銀淑さんの「夢おんな」を手掛けたFUMIKO(岡田冨美子)さん。
鈴木聖美 with Rats&Starの名作「ロンリー・チャップリン」を手掛けていると思えば、シブがき隊の迷作「スシ食いねェ!」を手掛けているのもFUMIKOさん。かなり作風のレンジが広いですが、この曲はインパクト的にも「スシ食いねェ!」よりで書かれた曲なのかもしれませんね。
夏ざかりほの字組(1985年)
作詞:阿久悠 / 作曲:筒美京平 / 編曲:新川博
続いては、夏のデュエットソングとしてカラオケで歌ってみるのもいいのではないでしょうか。田原俊彦さんと研ナオコさんのスーパーユニットToshi&Naokoの「夏ざかりほの字組」。
シャバダッ ドゥッ ワ~でおなじみのこの曲。
「ほの字」という言葉は何か粋な感じがして好きなんですが、いつから使われなくなったのでしょうか。あんたあの娘にほの字だね(惚れてるね)?的な使い方だと思うのですが、よく考えたら昭和生まれの私も一回も使ったことがありません。
田原俊彦さんは歌に関しては、ちょっぴり過剰なモノマネなどでいじられたりしてヘタなイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、80年代数々のヒット曲を生み出したスターですから、歌もハモリももちろんバッチリです。ダンスもありで歌っていたのも印象的です。
研ナオコさんに関しては、言わずもがなヒット曲もかなりありますし、中島みゆきさんや桑田佳祐さんなどの大物ミュージシャンの曲を自分の世界観で歌える素晴らしい歌手です。
デュエットといえば、2001年にはつんくさんプロデュースで志村けんさんと「銀座あたりでギン!ギン!ギン!」という曲も歌っていましたね。
志村けんさんとの絡みでいえば、研さんはコントをやっても一級というのも凄すぎます。キャラへの入り込み、間、アドリブでの返しなど、お笑いの人と間違えられるような技術をお持ちで最高に笑わせてもらいました。特に「生たまご」のコントが大好きでした。
夏の夜のサンバ(1972年)
作詞:阿久悠 / 作曲・編曲:森田公一
この番組で昭和のサンバやフラメンコの曲をよく紹介していますが、今回は和製リズム&ブルースの女王。和田アキ子さんの12枚目のシングル「夏の夜のサンバ」です。
冒頭の「いぇあぁ~」から最高ですが、今回紹介するのはライブバージョンということで、よりグルーブ感が増していてカッコいいです!
夏の夜に集まる怪しいパーティーを連想させるような歌詞で、歌ではサラッと流れていますが、思いっきり「ハッシッシ」と言っている所が阿久さんの凄さのような気がします。
恋になったらそれもいいし、恋でなくても別にいい。好きになったら泣けてくるし、好きでなくても泣けてくる。このどうでもいい感じもすべてこのハッシッシに繋がってくるようで普通にヤバい曲ですよね。
ただ、そんな歌詞もどうでもよくなるのは曲のリズムと演奏と和田さんの歌唱が痺れるからに他なりません。
夏の夜におすすめの一曲です。
真夏の夜の動物園(1968年)
作詞:橋本淳 / 作曲・編曲:鈴木邦彦
続いては、グループサウンズから。ザ・ダイナマイツの3枚目のシングル「真夏の夜の動物園」。
動物園を題材にした歌って斬新だと思ったんですが、ECHOESの「ZOO」(1989年)とか、徳永英明さんの「冬の動物園」(1986年)、中島みゆきさんの「真夜中の動物園」(2010年)など、この曲以降ちょくちょく出ていますね。
こういうのはジャングルビートと呼んでいいのでしょうか。メンバーのものと思われるジャングルの動物たちの鳴き声が時折聴こえるアナログ感。狙っている層が全くわからない歌詞の不思議な世界観。
作詞は橋本淳、作曲は鈴木邦彦という、あの名曲「トンネル天国」を作った布陣ではあるのですが、ちょっと方向性を見失っている感じがするシングルです。ジャケットのメンバーの笑顔もどこか困惑気味に見えるのは気のせいでしょうか。
個人的には大好きな曲なんですけどね。クレイジーサマーナイトの部分は前回紹介したオックスの「真夏のフラメンコ」のオービバビバオーレオレと共に夏の独り言ソングとして定着しています。
夏の終り(1974年)
作詞・作曲:矢沢永吉
最後は、もう夏が終わってしまうかのようで、かけるとちょっと切ない気持ちになりそうな一曲。CAROLの9枚目のシングルで「夏の終り」。
イントロのギターのメロディーが美しくて思わず聞き入ってしまうほど素晴らしい!ギターがあったら弾いてみたくなるイントロです。
この曲はCAROLの曲ですが、矢沢永吉さんもお気に入りなのかソロでもセルフカバーされています。作詞・作曲が矢沢さんということもあるのかもしれませんね。
夏と恋はセットなのかという位、夏の恋の歌は多いですが、別れも夏の終りと共にやってくるのですね。「もう恋などしない」という一節がありますが、どれだけツラい恋だったのでしょう。
思わず若気の至りで言っちゃったということもありますし、もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対と言っている人もいるので、この曲のように夏ツラい失恋をした人も心を閉ざさず、是非新たな恋をしてもらいたいものです。
最後に
というわけで、昭和の夏の曲特集その3をお送りしました。
三部作でお届けしたのでお分かりかと思いますが、夏の曲まだまだご紹介できなかった曲が沢山あります。また、来年の夏にでもご紹介できればと思いますのでお楽しみに。
それではまた次回!