- 昭和枯れすゝき / さくらと一郎
- あばよ / 研ナオコ
- シンシア / よしだたくろう&かまやつひろし
- やつらの足音のバラード / ちのはじめ
- 侍ジャイアンツ / 松本茂之
- 少年ケニヤ / 渡辺典子
放送した楽曲
作詞:山田孝雄 / 作曲:むつひろし / 編曲:伊部晴美
さくらと一郎は、徳川一郎さんと河野さくらさんによるデュエット歌手です。この曲は、同年に放送開始したテレビドラマ「時間ですよ昭和元年」の挿入歌として使われたことから、有線放送などで火がつき、更にはミリオンセラーも達成。第8回全日本有線放送大賞で大賞を受賞するほどの大ヒットになりました。
まず、イントロの哀愁漂うフレーズが最高です。ギターの音が最後シャクれるような音色はどうやって弾いているのか不思議です(エフェクト?)。誰か詳しい人がいたら教えて下さい。
そしてサビの「ち~か~らのか~ぎり い~きたから~」からのハモリ。二人とも個性が強い歌い方で、バチバチぶつかるかと思いきやそれぞれのうねりが低音と高音で美しく、かつダイナミックにからみあって圧巻のハモリになっています。
そして、インパクトありありの歌詞。2人に何があったのかはわかりませんが、とにかく切なすぎます。
幸せは求めず、ただただ人並みに生きれればという願いもかなわず、街を追われ、生きる未練もなくし、世間の風の冷たさにこみ上げる涙。
枯れたすすきは火が付きやすいので、是非また燃え上がって生き延びて欲しいと思います。
ちなみに河野さんは1978年にコンビを解消して、現在は二代目さくらとして山岡さくらさんを迎えて活動されているそうです。
作詞・作曲:中島みゆき / 編曲:クニ河内
中島みゆきさん提供によるこの曲は、研ナオコさんの楽曲の中で初のオリコン一位を獲得し、60万枚以上売り上げた一番のヒットナンバーです。
20代の頃、よく枕元にレコードプレーヤーを置いてこの曲を聴きながら寝ていました。別に失恋したわけでもなく、切ない気持ちだったわけでもなく。
しかも子守唄という意味では研さんが歌う「アザミ嬢のララバイ」もありますが、そうではなく「あばよ」。
ペットボトルで飲むスッキリしたお茶ではなく、急須で入れた時に最後に残る苦い淀みがずっと出てくるような怨み節。
笑って「あばよ」ではなく、笑って「あばよ」と気取ってみるさと強がりつつ、「あの人はお前に似合わない」と最後は自己暗示をかけまくっているような。
この中島みゆき節というか決してスッキリと前向きな別れではなく、引っ掛かりを残しまくる別れの歌詞がクセになります。
曲調的にも、ゆったりとした三拍子がもしかしたら心地よさの要因だったのかもしれません。
作詞・作曲:吉田拓郎
タイトルのシンシアとはシングル「17才」でデビューしたアイドル南沙織さんの愛称(クリスチャン・ネーム)で、南さんの「早春の港」という曲を聴いて感銘をうけた吉田拓郎さんがそのアンサーソングとして作成された曲なのだそうです。
ちなみにこの曲はかまやつひろしさんも一緒に歌っていますが、もともとかまやつさんが拓郎さんと共演をしたいと思っていたそうで、拓郎さんを口説いて作られた曲でもあるそうです。
拓郎さんは自身がファンである方(のちに結婚する浅田美代子さんや、キャンディーズ等)に楽曲を提供することがありましたが、活躍中のアイドルに捧げる曲を作って自身で歌うのはかなり斬新だと思います。
これ、捧げられた方はどういう顔して聴くんだろうと思っていたのですが、フジテレビの「ミュージックフェア」で3人が共演した映像を見ると、南さんは拓郎さんの横でずっとニコニコしていました。ちなみに南さんにニコニコされている拓郎さんは嬉しさと照れくささがあるのか、ずっとデレデレしているように見えました。
拓郎さんの曲はメロディーの符割が独特で、拓郎さんっぽく歌うのが難しいですが、かまやつさんもレコーディングでは苦労されたようです。
一緒にするなという話ですが、同じ拓郎さんの三拍子の曲「外は白い雪の夜」が好きなのですが、難しすぎてカラオケのみならず鼻歌でもうまく歌えた試しがありません。
作詞:園山俊二 / 作曲:かまやつひろし / 編曲:あかのたちお
1974年から1976年まで放送されたテレビアニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディングテーマで、原作者の園山俊二さんが作詞、かまやつひろしさんが作曲しています。
なんにもないから始まって、星の誕生、植物、生物の誕生、そして地平線のかなたからマンモスの匂いと共にやつら(人間?)がやってくるという壮大なストーリーの歌です。抑揚も少なく、坦々とただ心に沁みるように流れるメロディーも素敵です。これもまた三拍子が効いていると思います。
はじめ人間ギャートルズといえば、マンガ肉の元祖ともいえる「マンモスの肉」やデカい石でできた硬貨、叫び声が石になるといった面白い表現が沢山出てきます。
こういった過剰ともいえる表現はいつの時代の子供にもささると思うんですよね。私も後追い世代ですが、再放送でささりました。むしろ、今見てもささるのでもしかしたら子供とか関係ないかもしれません。本当に天才だと思います。
作詞:東京ムービー企画部 / 作曲:菊池俊輔
この曲は週刊少年ジャンプの掲載されていた、梶原一騎さん原作、井上コオさん作画の野球漫画「侍ジャイアンツ」のアニメ版テーマソングです。
アニメは1973年から1974年まで放送されていて、主題歌を唄っているのは松本茂之さんとのことですが、この松本茂之さんは実はアニキこと水木一郎さんの変名です。まあ声を聴いたらわかりますよね。
ズンタッタター ズンタッタ ズンタッタター ズンタッタ
三拍子をそのまま音で表現するというダイナミックな出だしが最高です!そして歌詞が1番と2番は必殺技主体の戦隊モノのような内容なのに、なぜか3番だけ青春スポ根モノになっているのが興味深いです。
ダイナミックといえば、主人公の名前である「番場蛮」。音にすると「バンババン」。
これ番場性の人がまず避けたい名前だと思うのですが、あえての「蛮」。そして漢字も野蛮の蛮。名前の付け方といい、読み方といい、本当に勢いしか感じられなくて最高です。
そして、蛮が投げ込む魔球もカッコいいですよね。
- ハイジャンプ魔球
- エビ投げハイジャンプ魔球
- 大回転魔球
- 分身魔球
- ミラクルボール
特に衝撃的だったのが「分身魔球」。ボールを思いっきり握りつぶして投げることで、ボールが揺れて分身したように見えるという魔球です。
子供の頃、ビニールボールでマネしていましたが、硬球だったら絶対に潰れません。原作では、この魔球で体力を消耗したことが蛮の死因になっているそうなのですが、そりゃそうだろうなと納得のムチャ魔球です。
作詞:阿木燿子 / 作曲:宇崎竜童 / 編曲:萩田光雄
1951年から1955年に「産業経済新聞」(現在の産経新聞)に連載されていた山川惣治さん作の絵物語「少年ケニヤ」が、1984年にアニメ映画化された際の主題歌です。 監督は大林宣彦さん。
この曲は「花の色」と合わせたダブルA面で売り出された渡辺典子さんのデビュー曲で、「花の色」もテレビドラマ「探偵物語」(1984年から放送された赤川次郎さん原作の方で、松田優作さん主演のものとは異なります)の主題歌でした。ちなみに「探偵物語」で渡辺さんは主演もされていました。
作詞・作曲は阿木燿子さんと宇崎竜童さんのゴールデン夫婦です。舞台がケニアということもあって、笛が主旋の異国の雰囲気があるイントロがいいですね。三拍子というリズムも原住民が叩く太鼓のリズムの様でこれまた雰囲気を高めている感じがします。
また、サビの独特のフレーズ「口移しにメルヘンください」がとても印象的です。このフレーズはアニメ映画のキャッチコピーにもなっているようですが、阿木さんが考えたのでしょうか。
残念ながら映画は見れていないのですが、曲が素晴らしいので今回ご紹介しました!
最後に
今回は昭和の三拍子の曲を集めてお届けしました。自分が持っている音源だけかもしれませんが、アニソンに三拍子の曲が多い気がしました。三拍子は子供に響く何かがあるんでしょうか。確かに心地よさはありますもんね。
他にも三拍子の曲が集まったら第二弾も検討したいと思います!
それでは次回の「グッとくる昭和サウンド」をお楽しみに。