- ワルのテーマ / 尾藤イサオ
- 番長シャロック / 梅宮辰夫
- 紫のハイウェイ / COOLS
- 少女A / 中森明菜
- 湯屋さん / 沢田研二
- 地獄の皇太子 / 聖飢魔Ⅱ
悪(ワル)にちなんだ曲を集めてみた
作詞:山川啓介 / 作曲:いずみたく
シングル「ワルのテーマ」A面に収録(1973年発売)
まずは、今回のテーマにピッタリの曲。
真樹日佐夫さん原作の学園ハードボイルド劇画「ワル」の映画版「非情学園ワル」の主題歌。
特徴としては、全体を通して鳴り響くファズギター。聴くものをその音色のようにシビレさせます。
極めつけはサビの「オーレーはーワル ワル ワルが何故悪い~」という、口当たりのいいフレーズがクセになる最高の曲です。
あまりのキャッチ-さに、私もついつい生活の中で呟いてしまいます。
歌っているのは尾藤イサオさんですが、尾藤さんといえば「あしたのジョー」の主題歌も歌われていますね。ちなみにあしたのジョーの原作者は梶原一騎さん。なんとこのワルの原作者真樹日佐夫さんのお兄さん。
この兄弟といえばの数々の漢の物語を作り出した天才ですが、その主題歌を任される尾藤さんも漢の歌の表現者として認められていたのでしょうか。
作詞:大町志郎 / 作曲:島豊 / 編曲:池田孝
シングル「番長シャロック」A面に収録(1969年発売)
2020年を目前として、令和元年の終わりに残念ながらお亡くなりになられた昭和の大スター梅宮辰夫さん。
その梅宮さんが主演のむちゃくちゃな東映映画、「不良番長」の主題歌です。この不良番長率いる「カポネ団」、様々な悪事に手を染めていますが、今なら即上映中止に追い込まれるであろうなかなか酷い(誉め言葉)映画です。
不良番長お~れの~こと~
梅宮さんが歌うこの歌は、映画を見た誰もが頷くこれまた最高の主題歌です。
気になる方はAmazonプライムビデオでも何作か視聴できますので、チェックして見て下さい。
ちなみにシャロックというのは、この時期に流行ったリズムだそうで、シャッフルとロックをミックスさせたものだそうです。
シャロックの他の作品としては、中尾ミエさんが1968年にリリースしたシングル「恋のシャロック/シャロックNo.1」があります。
作詞:たちひろし / 作曲:五大洋光
シングル「紫のハイウェイ」A面に収録(1975年9月発売)
バイクに乗る不良といえば、派手な格好をした暴走族を思い浮かべがちですが、COOLSは全身を黒で統一したモーターサイクルチーム。
そんなこだわりのチームがバンドで華々しくデビューしたのがこのシングル「紫のハイウェイ」です。
ヴォーカルは今では石原軍団の代表的な存在ともいえる舘ひろしさん。作曲の五大洋光とは実はあの永ちゃんこと矢沢永吉さんです。
COOLSはキャロルの親衛隊を務めていたこともあったので、そのつながりもあったのでしょう。今からすると夢のようなコンビですよね。
50’Sのアメリカンロックといった曲調で、歌もノリノリですよね。舘さんの今の落ち着いた感じから想像するとなんかニコニコしてしまいます。
作詞:売野雅勇 / 作曲:芹澤廣明 / 編曲:萩田光雄
シングル「少女A」A面に収録(1982年10月27日発売)
ファーストシングルとは打って変わって不良化した明菜ちゃん(あえてのちゃん付け)。よく未成年が捕まった時に出る匿名「少女A」というタイトルのインパクトがまず刺さる曲です。
何かじれったいことがあると思わず口ずさんでしまう、おじさんメーカーな曲でもありますね。
しかし、この頃の中森明菜さんはちょっとぽっちゃりしていてメチャクチャ可愛いですよね。歌は文句なしで凄いのはもちろん、振りのぎこちなさや間奏でニコッと笑うのがたまりません。
ファンの目線でいえば、特別でどこにもいないあなた少女A(明菜)といった所でしょうか。
作詞・作曲:沢田研二 / 編曲:大野克夫
アルバム「JulieⅣ 今 僕は倖せです」に収録(1972年9月10日発売)
アルバム「JulieⅣ 今 僕は倖せです」は、ジュリーこと沢田研二さん初のセルフプロデュース作品ということで、制作、企画、構成、作詞、作曲、歌唱をすべて手掛けています。
1972年当時の影響もあってか、全編フォークソングのテイストが感じられる作品です。
この曲はあの内田裕也さんに捧げられた曲で、明らかにイジっています。これも二人の古くからの関係性がなせるイジりなのでしょうが、大好きだからこそのもので、裕也さんへのリスペクトを感じます。
別に裕也さんが「悪」ということで取り上げたわけではないのですが、日本のロックンローラーの代表として時には悪いこともしてきたと思います。(実際何度か逮捕もされています。)
それでもどこか憎めないキャラクターというか、世間にも受け入れられていた裕也さん。(もちろん多大なる迷惑を被った方もいらっしゃると思いますが…。)個人的には、それこそジュリーが歌っていた「憎み切れないろくでなし」という言葉がピッタリくる人だったと思います。
※放送ではかけられませんでしたが、解説だけどうぞ
作詞・作曲:デーモン小暮
アルバム「聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる」収録(魔暦紀元前14年(1985年)9月21日)
悪の代表といえば、悪魔。そんな悪魔のミュージシャン達がこの日本にはいます。1989年には紅白出場(白い奇蹟)も果たした国民的悪魔。それが聖飢魔Ⅱです。
バンドを「教団」、メンバーを「構成員」、ライブを「黒ミサ」、アルバムを「大教典」、シングルを「小教典」と呼ぶなど、かなり細かい設定がありますが、ふざけているようで物凄くしっかりしていますよね。
しっかりしているのは設定だけではなく、デーモン閣下の太いハイトーンボイスはもちろん、教団の構成員による演奏レベルの高さも凄いです。
もともとグループサウンズにハマる前は、メタルやハードロックが好きだったので、やっぱり16分を刻むギターのバッキングを聴くとテンションがあがります。
速弾きのギターソロも好きですが、ツインギターのハモリを聴くと泣けてきますね。
最後に
今回は「悪(ワル)」にちなんだ昭和の曲を集めてお届けしました。なかなかマニアックなテーマでしたが、曲自体は聴いたことあるものもあったのではないでしょうか。
ちなみに、今回取り上げたアーティストは決して悪い人ではないということは言っておきたいと思います!
それでは、次回もお楽しみに。