2019年11月19日放送分
- 母に捧げるバラード / 海援隊
- ジャガー / 西城秀樹
- ゴロワーズを吸ったことがあるかい / かまやつひろし
- なんとなく なんとなく(鹿児島弁) / ザ・スパイダース
- 円楽のプレイボーイ講座 第3章 酒<サマーワイン> / 前田憲男とプレイボーイズ
- 港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ / ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
- とん平のヘイ・ユー・ブルース / 左とん平
- 君は人のために死ねるか / 杉良太郎
曲中に語りが入った歌特集
早いもので、グッとくる昭和サウンドももう8回目!今回は曲の中に語りやセリフが入った曲を集めてみました。
母に捧げるバラード
作詞:武田鉄矢 / 作曲:海援隊 / 編曲:青木望
シングル「母に捧げるバラード」A面に収録(1973年12月10日発売)
語りといえばまずこの曲ではないでしょうか。曲のほとんどが博多弁?のセリフでできているという思い切った構成ですが、鉄矢さんから母への、そして母から鉄矢さんへの愛情が伝わる素晴らしい語りです。
「とにかく働いて休みたいとか、遊びたいとか、そんな事いっぺんでも思ったらその時は死ね。それが人間だ。それが男だ。」といったような今では考えられないようなセリフもありますが、これが昔の人の心意気だったんでしょうね。
しかし、この曲最初に聴いた時はズルいなと思いました。博多弁で「このバカちんがっ」などと延々いったかと思えば、「ぁ今も~」とあの独特の歌唱法で歌に戻る。面白くないわけないですよね。
そういう側面もあったからか、当初は忘年会用の面白ソングとして注目されていたそうです。
「母に捧げるバラード」はこのCDで聴けます!
ジャガー
作詞:阿久悠 / 作曲・編曲:三木たかし
シングル「ジャガー」A面に収録(1976年6月5日発売)
ヤングヒデキは、とにかく毛量の多さとアクションと声の強さというか喉の太さが最高にカッコいいですよね。
この曲もまさにジャガーのようなしなやかな動きと「抱いてやるぅー!」といった雄叫びで当時の若者たちを虜にしたことでしょう。
しかし、この曲の語り部分はどういう状況なんでしょうか。
「君が死んだら俺は死ぬけど、俺が死んでも君は死ぬな。」的な話から始まって、「しゃべるな何もいうな」といいながらも、俺の目の中に何が見えたかを聞いてくるし、“君役の人”は戸惑うばかりだった思います。そうかと思えば「とんで来い、抱いてやるぅー!」など急にどうした的な展開。
曲全体を通して、君のことは無視した一方的な愛の押し付けのような感じを受けますが、温度差がありすぎてこの愛がうまくいったとは思えません。
「ジャガー」はこのCDで聴けます!
ゴロワーズを吸ったことがあるかい
作詞・作曲:かまやつひろし / 編曲:Greg Adams
シングル「我が良き友よ」B面に収録(1975年2月5日発売)
この曲は語りというか語っているように歌っている感じですね。
こっちがA面でしょ!という位カッコいい曲ですが、B面は思いきり好きなようにやらせてもらったというだけあって本当に好きにやっている感じが出ています。
バックの演奏は来日していたアメリカのファンクバンド「タワー・オブ・パワー」。なんでも当時かまやつさんがファンだったそうで、ダメ元でお願いしたら快く引き受けてくれたそうです。いってみるもんですね。
演奏だけではなくて歌詞もかまやつさんらしくお洒落で、いつも聴き入ってしまう大好きな曲です。
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」はこのCDで聴けます!
なんとなく なんとなく(鹿児島弁)
作詞・作曲:かまやつひろし
アルバム「ザ・スパイダースの大進撃」サウンドトラック収録(1967年12月25日発売)
こちらは映画「ザ・スパイダースの大進撃」の劇中歌で、ザ・スパイダースのヒット曲「なんとなく なんとなく」の鹿児島県バージョン。途中で入るセリフももちろん鹿児島弁です。
元々ほのぼのしたナンバーですが、井上順さんのボーカルとなれない鹿児島弁でそのほのぼのさも3倍に!
「困っちゃったな~」が「げんねごわすな~」。
「君を好きになっちゃったんだ」が「おまんさ~が好きにないもしたで」。
方言で結構印象変わりますね。
ところで実はこの映画まだ未見でして…。最近TSUTAYAでもグループサウンズものの作品があって、ザ・スパイダースの大進撃もレンタルできるので近々見てみようと思います!
「なんとなく なんとなく(鹿児島弁)」はこのCDで聴けます!
円楽のプレイボーイ講座 第3章 酒<サマーワイン>
作曲:リー・ヘイゼルウッド
アルバム「円楽のプレイボーイ講座」に収録(1969年発売)
先代となる5代目三遊亭圓楽さんによる、聴いて実践すればあなたもプレイボーイになれるという素晴らしい心得を収めたアルバムからの一曲です。
このプレイボーイ講座は全12章からなっていて、第1章「女」、第2章「ギャンブル」、第3章「酒」、第4章「ファッション」、第5章「車」、第6章「セックス」、第7章「ダンス」、第8章「音楽」、第9章「スポーツ」、第10章「ビジネス」、第11章「話術」、第12章「エチケット」といったプレイボーイに欠かせない要素がすべて詰まっています。
エロカッコいいを先どった、レコードジャケットのセクシーな女性は松岡きっこさん。当時モテたいと思った男性たちがこぞってこのレコードを買い漁ったに違いありません。
ちなみにクレイジーケンバンドの横山剣さんもこのレコードに感銘を受けて、かなりの影響を受けているとか。
キザな口調で語られるプレイボーイの心得と、一流のジャズプレイヤーが演奏が流れるお洒落でカッコいいレコード。一石二鳥でかなりおすすめです!(CDでも買えます。)
「円楽のプレイボーイ講座 第3章 酒<サマーワイン>」はこのCDで聴けます!
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
作詞:阿木燿子 / 作曲:宇崎竜童 / 編曲:ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
シングル「カッコマン・ブギ」B面に収録(1975年4月20日発売)
こちらも語りといえばこの曲という代名詞的な名曲。
ヨーコを探して港町の酒場を訪ねて歩く男。尋ねた相手側のセリフだけで構成されている歌詞ですが、そこからヨーコの人柄がみえてきたり、ストーリーがなんとなくわかるようになっているのが素晴らしいですよね。
ヨーコとはどういう関係なんだろう?という疑問も行く先々の人がバシッと聞いてくれています。「あんた。あの娘の何なのさ?」
最終的には「ははーん。ヨーコのことが好きで追いかけているんだな」という気づきも気持ちがいい程ストレートに聞いてくれています。「あんた。あの娘に惚れてるね?」
ヨーコにかなり近づいたこの人は結局ヨーコに会えたのでしょうか。想像の余地が残してある所がまたにくいですよね。
「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」このCDで聴けます!
とん平のヘイ・ユー・ブルース
作詞:郷伍郎 / 作曲:望月良道 / 編曲:深町純
シングル「とん平のヘイ・ユー・ブルース」A面に収録(1973年11月21日発売)
世の中はすり鉢で、人生はすりこぎ。すり減っていくばかりの人生の悲哀を叫ぶように歌ったトーキング・ブルース。 「ヘイ・ユー!ホワッチュア・ネーム?」と何度も詰め寄られているような感じが印象的です。
同じように育ってきた仲間はうまくやっているのに、自分だけがすりこぎにされた。自分は悪くない、誰かにすりこぎにされたんだ!俺をすりこぎにしたのは誰だ?ということを歌っていると思うのですが、この「全部人のせいだ」と言わんばかりの主張も切なさをアップさせていますよね。
また、歌もいいのですがバックの演奏が今聴いてもカッコいい!実は1990年にスチャダラパーがこの曲をサンプリングしたことで、クラブシーンでも再評価が高まってブームが起こったそうです。その後、大槻ケンヂさんやカンニングもこの曲をカバーしています。
「とん平のヘイ・ユー・ブルース」はこのCDで聴けます!
君は人のために死ねるか
作詞:杉良太郎 / 作曲:遠藤実 / 編曲:斉藤恒夫
シングル「君は人のために死ねるか」A面に収録(1980年1月21日発売)
あいつの名は~ポリ~スマ~ン♪
1980年に放送された刑事ドラマ「大捜査線」のエンディングテーマ。ドラマで主演も務めていた杉良太郎さんの渋い語りが入った曲です。
実はこのドラマは見たことがないのですが、この曲をテーマソングにするくらいなのでさぞかし熱いドラマだったのではないかと思います。
しかし、今「君は人のために死ねるか」と聞かれて二つ返事で答えられる人がどれくらいいるんでしょうね。夏色のナンシーの合いの手ばりに「YES!」と答えるポリスマンももしかしたらいるかもしれませんが、いずれにしても刑事は時には命をかけることもあるであろう大変なお仕事です。
許せない~奴がいる~ 許せない~事がある~
曲の最後のまさかの自己紹介で「あんたもポリスマンだったんかい!」と思わずツッコミを入れてしまいました。
「君は人のために死ねるか」このCDで聴けます!
最後に
定番の曲からちょっとマニアックな曲まで、 今回は曲の中に語りやセリフがある歌を集めてみましたがいかがだったでしょうか。
是非カラオケなどで役に入り込んで、魂こめて語ってみて下さい♪
それでは次週もお楽しみに!