【グッとくる昭和サウンド第67回】ガールズバンド特集

今回の選曲はこちら
  1. そばにいて / ピンキー・チックス
  2. CHERRY BOMB / 少年ナイフ
  3. 野良猫 / ガールズ
  4. あなたと、熱帯 / MINAKO with WILD CATS
  5. M / プリンセス プリンセス

昭和のガールズバンドを集めてみた

そばにいて(1968年)
そばにいて / ピンキー・チックス

作詞:谷もとこ / 作曲:新井はるコ / 編曲:寺岡真三

私が知りうる限り、日本初のガールズバンドといえば「ピンキー・チックス」。1967年に結成された6人組の全員女性のグループサウンズで、翌年「ヨッパラッタお嬢さん」でデビューしました。この曲はそのB面に収録されています。

デビュー時のメンバーとパートは以下の通り。

  • 糸乗美和・・・ボーカル
  • 鳳美加・・・ドラムス
  • 丘なおみ・・・ベース
  • 富樫由美・・・ギター
  • ジュリー広岡・・・ギター
  • 松原美穂・・・キーボード

イントロのスリリングな旋律が最高で、ドタドタした感じのドラムの音色がカッコよく、ファズギターとも相まってかなりロックしています。

歌は完全に歌謡テイストですが、この時代独特のグルーブがあって大好きです。

CHERRY BOMB(1986年)
CHERRY BOMB / 少年ナイフ

作詞・作曲:Vincent Kim・Joan Jett・Marie Joan Larkin

続いては、ちょっと年代が飛んで日本よりも海外の方が人気があるのではないかと思われる、世界を股にかけて活躍するガールズバンド「少年ナイフ」。

ガールズバンドは意外と演奏力が高いバンドが多いのですが、少年ナイフはラモーンズの影響を受けているのもあって、演奏や歌唱力よりもパンク的なルーズなカッコよさが際立った素敵なバンドです。

あのカート・コバーン率いるニルヴァーナも少年ナイフのファンだったそうで、ツアーを一緒に回ったり、少年ナイフの「ツイスト・バービー」という曲をカバーしたりもしたそうです。

今回は、そんな少年ナイフがカバーしたザ・ランナウェイズの「CHERRY BOMB」をご紹介。

パンクやガレージが好きな女性ボーカルのバンドはだいたいカバーしているという、定番の曲ですがなかなかカッコよく歌い、演奏するのは難しい曲ですよね。

少年ナイフは、ダミ声ではなく割と普通の声で歌っているのでポップで、演奏とのギャップもあっていい感じです。

野良猫(1968年)
野良猫 / ガールズ

作詞:鳴海昌明 / 作曲:小田裕一郎 / 編曲:矢野誠

続いては、恐らく先ほどのザ・ランナウェイズを日本でやったらどうなるか。ということで結成されたと思われる「ガールズ」。

「野良猫」というタイトルからかなり匂わせていますが、どうして日本でガールズロックをやるとやさぐれるのでしょうか。演奏のカッコよさよりも、やさぐれ感が前に出過ぎていて最高です!

恰好も、ホットパンツに網タイツでヒョウ柄のキャミソールの人もいれば、金色の宇宙服みたいな人もいてバラバラですが、全員やさぐれセクシーな装いで、当時の若者はどんな気持ちで見ていたのでしょうか。気になります。

グループサウンズにもいえますが、洋楽と歌謡が融合した日本独特のグルーブがここにも出ていますね。

メンバーには以前「海の日にちなんで海に関する曲特集」で紹介したジューシー・フルーツのイリアさんもいました。

あなたと、熱帯(1988年)
あなたと、熱帯 / MINAKO with WILD CATS

作詞:松本隆 / 作曲:忌野清志郎

続いては、本田美奈子さんが女性だけを集めて作ったロックバンド「MINAKO with WILD CATS」のデビューシングル「あなたと、熱帯」です。

ロックをやるにもちょっとやりすぎではないかと思う、ツインドラムにツインギターという編成はちょっとビックリしました。

そんな重厚なサウンドにも負けない声量は、細くて小さな体のどこから発せられるのか不思議です。

また、作曲が忌野清志郎さんというのもロックバンドにはかかせない制作陣ですよね。「あなたと、熱帯」が「あなたと、寝たい」かかっている歌詞。これも清志郎さんっぽいですが、作詞は松本隆さん。この二人のコンビによる曲も珍しいような気がします。

バリバリに肉食系の歌詞ですが、やはりガールズバンドにやさぐれは必要なのでしょうか。

M(1988年)
M / プリンセス プリンセス

作詞:富田京子 / 作曲:奥居香

最後は、ガールズバンドの名バラードを。プリンセス プリンセスの「M」です。

こんなに有名な曲なのに、シングル曲じゃないというのもすごいです。初出はアルバムの中の一曲で、その後は「Diamonds」のB面に収録されていました。

しっとりしたピアノから始まり、歌、カッコいいベースときて、ジャーンと全パートで盛り上がるこの入りが最高ですよね。

この曲は、ドラムの富田京子さんの失恋から生まれた曲だそうで、奥居香さんが曲を付けるから、悔しい思いを詞に書いて売れて見返してやろうということで、作られたのだとか。

そういえば当時から、我々一般人が本名を聞いたとて誰だかわからないくせに「M」って誰だという話題になっていましたが、このイニシャルMの人は実在していて、この歌の存在も知っているし、なんならプリンセス プリンセスのライブにも来たことがあるそうです。

最後に

今回は、昭和のガールズバンドに焦点を当てて選曲してみました。

ガールズバンドが全くと言っていいほどいなかった1960年代から、最も盛り上がったであろう80年代まで幅広くチョイスしてみましたが、いかがだったでしょうか。

それでは、次回もお楽しみに。

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